昨日、母校を訪れました。
「スペイン語の先生」としてあまりに有名な福嶌先生のことを、
この場でどんな風に説明したらいいのか分かりません。
NHKテレビ・ラジオの語学番組にも出演され、著書も多数。
研究者としての功績は、私などにはとても説明できないほど。
しかし私にとっては、「教育者」という意味で、
本当に素晴らしい「先生」でした。
驚きと工夫に満ちていました。
生徒を楽しませること、生徒に興味をもたせること、
生徒を授業に参加させること、生徒の良さを引き出すこと、
そしてもちろん、
生徒にいかにスペイン語の力をつけるかということ。
すべてが緻密に計算され、
授業は毎回、小劇場にいるようでした。
昨日の最終講義も、その先生の精神が最大限に発揮され、
司会の方が、「予想以上の参加者で急きょ会場を変更した」
とおっしゃっていましたが、それでも立ち見が出るほどの盛況。
先生はご登壇されるまでずっとコートを着たままでいらっしゃいました。
部屋の暖房が効いていないわけでもないし、
と思っていましたが、…やはり。
いざ講義となり、舞台上でコートを脱ぎ捨てた先生は、
真っ白なジャケット。
やられた、と思いました。
教室は劇場、授業は舞台、先生は名優で、
その登場、一瞬にして、私たちの心をつかむのです。
あっという間に過ぎた2時間の最後、
先生はスペイン語学の研究者として、
恩師の導きで「接続法」を専門にしてきたと語り、
それを結びにされました。
先生に出会っていなかったら、
今の私はありません。
Si no lo hubiera encontrado,
no habría empezado este blog tampoco.
Ahora estoy aquí.
福嶌先生、ありがとうございました。
先生が教えてくださったスペイン語の面白さを、
私は私なりのやり方で、
一人でも多くの人に伝え続けよう、と思います。